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−続・ガラス原料あれこれ(47)−
 
[桜とワイン]

今年も桜が咲きました。
今、私は東京の事務所に居るのですが、窓から見える桜の木は
もうほとんど満開です。
いやあ、実にいいですね。どうして桜がこんなにも人の心を
動かすのか。あるいは私が特別なだけかもしれませんが(汗;)
思うに、長かった冬が終わりこれから春になったんだよ!という
自然からの宣言みたいなものを感じるからではないでしょうか。

さて、今回のテーマは桜とワイン。
とりあえず、この二つの言葉で連想するのは、お花見でしょうか。
これからしばらくは、桜の花の下で一杯飲むという風景があちこち
で見られそうです。日本酒の方が合いそうですが、ワインももちろん
活躍するでしょう。
ガラスの世界で桜とワインというと、
桜色=ピンク=ワイン色+白=金赤ギョク
という図式が思い起こされます。ワイン色は金赤の色ですから。
当社のフリットの「ピンクギョク」「金赤ギョク」はきれいな
桜色です。ちなみに二つの色の違いは、ピンクギョクの方が
倍以上の金を使用していて濃い発色をします。
金赤の発色自体は、きれいなワイン色です。それにギョクの白い地が
合わさってピンク色に見えるわけです。
桜の花びらもそうですね。白い花の地にうっすら赤の色素が交じっている
というイメージです。

この、金赤という色もあらためて考えてみたら、すごい色です。
だって、「金」をガラスの原料に使ってしまうのですから。
それも王水といって、濃塩酸と濃硝酸とを3:1の体積比で混ぜた液で金を
溶かした上でガラスバッチに混ぜ込みます。
現在価格がグラム3000円ぐらいの金を溶かしてしまうのですから、
ちょっともったいない気もします。
ただありがたいことに、比較的少量の添加量で済みます。
バッチ300kgで300g以下の添加量です。
最強の着色剤であるコバルトよりは添加率は高いですが、
他の着色剤よりは少なくて済みます。
でも金ですから、当然ガラスバッチ全体の価格も高くなります。

ですが、そうやって作った金赤は実にいい色に発色します。
何故か、赤ワインそっくりの色なんですね。深いルビー色にほんの少し
青みが入ります。
少し黄色が入ってしまうセレン赤や、暗い赤色の銅赤とは違う
鮮やかな赤色を見せてくれます。
金はガラスでもやっぱり高貴な姿を見せるのですかね。

さて、皆様もお花見でワインを飲みすぎないように!
それは私への教訓でもあります(再び汗;)。


 
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