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−続・ガラス原料あれこれ(14)−
 
[ガラスは絵具?]

我々は、日々ガラス工芸向けのガラス素材の製造に従事しています。
ガラス工芸の作家の皆様が作品を作られる際の、
元になる素材を提供させて頂いている訳で、
とてもやりがいがあると同時に責任の重さに身が引き締まる思いです。
たとえば絵の世界で言えば、我々は絵具を作るメーカーのようなものでしょうか。
ですから我々は、絵具のようにもっとたくさんの色を用意して、
お客様の選択範囲が広くなるように今後も努力していくつもりです。

ところで。今、絵具と書きましたが、ガラスは絵具とは微妙な違いがあります。
画家は自分の欲しい色がなければ二つ以上の色を混ぜることで、
自分の欲しい色を手に入れることが出来ます。
ガラスは、それが可能な場合もありますが、
ほとんどの場合、そうすることは困難です。

たとえば、以前「あれこれ」に書きました、
「酸化雰囲気」のガラスと「還元雰囲気」のガラスを混ぜて溶融すると、
どちらの色でもない、とても変な色になってしまいます。
http://www.glass-kougeihiroba.jp/arekore/index02.html
http://www.glass-kougeihiroba.jp/arekore/index03.html

また、同じ「酸化雰囲気」のガラス同士でも、それぞれの着色原料が
お互いに影響し合って、色が変化してしまうことも良くあります。
http://www.glass-kougeihiroba.jp/arekore/index10.html

逆に言うと、我々が新しい色を設計する際にも、このことは常につきまとうことです。
着色原料のAとBを使って色を設計しても出来上がったガラスがA+Bにならない
というのは、いつものことです。
さらに、この場合、試験用の小さなルツボで溶融するのと、
大きなルツボで本生産する場合にも色調が変わるというでっかい「おまけ」
も付いてくるので、余計やっかいなんですが。

それから、もうひとつ大事なことがあります。
ガラスは透明なので、絵具のように反射光で見るのではなく、透過光で見ますから
、ガラスの厚さでも印象は変わりますし、単純比較が困難になります。
元のサンプルとして印刷した色を持ってきて、
これと同じ色のガラスを下さいというのが、我々の一番つらいリクエストです。


 
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