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−続・ガラス原料あれこれ(5)−
 
[ガラスの日焼け ]

「ガラスって日焼けするの?」という声が聞こえてきそうでが、ガラスも日焼けするのです。具体的には「ソラリゼーション」といって、太陽光線(紫外線)の影響でガラスの中の成分が化学反応を起こして、無色のガラスが着色したり、色調の変化を起こす現象のことを言います。

たとえば、透明なガラス・コップを窓辺にずっと置いていたら、いつの間にかうっすら紫色になったり、黒ずんだりした経験はありませんか。
これは、ガラス中の消色剤として用いたマンガン(Mn)と、もともとガラスの中に存在する鉄分(Fe)が紫外線のエネルギーで反応を起こし、マンガン・イオンが発色の薄Mn2+から、濃い紫色のMn3+になることにより、紫色になったと考えられます。
このように、消色剤としてマンガンを使用している場合にはソラリゼーションのおそれがありますが、当社のAスキをはじめとする調合にはマンガンによる消色は行っておりませんので、ご安心を。

これ以外にも、太陽光により色調が変化するという現象があります。
当社のキャスティング・ビレットのNO.46のセピアという色は、ごく薄いピンク色ですが、この色も太陽光に当てていると、ピンク色が少し濃くなっていきます。
セレンやカドミを用いた着色は、加熱することによって発色が濃くなる現象(ストライキング)が見られますが、このセピア色の場合にも太陽光の刺激によって、ストライキングが起こったと考えられます。

それからフォトクロミック・ガラスといって、この現象を積極的に利用したものもあります。紫外線が当たると黒くなり、当たらなくなると元に戻るガラスです。
サングラス(メガネ)に使用している例もありますし、板ガラスでも調光ガラスといって光によって濃くなることで、室内に入ってくる光の量を加減できるガラスもあります。

今回はガラスも日焼けするんだよ、というお話でした。



 
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