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−続・ガラス原料あれこれ(6)−
 
[いいガラスを作る方法 ]

「いいガラス」って何でしょう。私なりのとりあえずの定義をしてみます。
1.透明度が高いこと。着色ガラスの場合には安定した発色をすること。
2.ガラス内に異物(未溶解物、結晶生成物)、コード(すじ)、脈理、泡などの欠点がなく均質であること。
以上のようなことになるでしょうか。

 ガラスの製造工程をあらためて考えて見ましょう。
バッチ調合設計→調合(混合)→溶融→成型
この中で、1の「透明度が高いあるいは安定した着色」のためには、純度の高い原料を使うことと、混合、 溶融時に不純分の混入に留意することが必要でしょう。
2の「欠点がなく均質であること」のためには、どうすればいいでしょうか。 欠点のうち、異物である未溶解物と結晶生成物は通常ストーンと呼ばれ、その原因はバッチによるもの、 溶融時に生成されるもの、炉材から混入するものなどがあります。 またコード(すじ)も原因はストーンと同様のケースが多いです。 脈理は、ガラスが不均質で、ガラスの中にうねうねとすじのようなものが見えることを言います。 また泡も、当然ガラスの欠点となりますね。

 さて、ごくおおざっぱにお話してしまいますが(それだけかよ、という声が聞えてきそうですが)、 これらの欠点の多くは、ガラスを溶融するときの温度管理によって解決されるケースが多いのです。
ガラスの溶融時に一番大事なことは、1.バッチ原料を投入したあと、出来るだけ速やかに 溶融温度まで上げる。→1400〜1450℃以上が好ましい 2.バッチが完全に溶融し終わって、ガラスが均質になるまで、その温度を保持する。 3.ガラスが均質になったら、今度は出来るだけ速やかに、作業温度まで下げる →通常1200℃前後 ということにつきるのです。
 
 要するに、ガラスを溶融する時の温度のカーブをグラフにした時に、 左右の辺が少し立った台形をイメージしてもらえればいいと思います。 左右の辺が寝てしまうと、いろいろな欠点が起こりやすくなります。 また台形の高さは出来るだけ高い方がいいです。 さっと温度を上げて、その高い温度をしっかり維持することで、未溶解物や不均質は防げます。 また高い温度から速やかに温度を落とすことによって、泡切れも良くなります。 また結晶生成物(失透)も防ぐことが出来るのです。

 もちろん、その前提として、きちんと設計した調合に従って、適切な原料を使用して、 均質に混合されたバッチがあってこそ!ということなのですが。 そのために、当社は日夜努力を続けております。と最後は自己宣伝でした。


 
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