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−続・ガラス原料あれこれ(51)−
 
[「和色」=日本の色の話V]

今年の夏は暑いですね。
私自身はもともと、冬よりも夏の方が好きで暑さもあまり苦にならない
方ですが、さすがに今年は夏バテ気味です。
でも、特に吹きガラス工房の方は、ガラス炉の前でもっともっと
暑い思いをされてますよね(文字通り汗;;)。

さて今回のテーマは、「和色=日本の色の話V」です。
「和色」という言葉もほんの少しだけ、ガラス工芸に限って定着して
きたような気がします!?
「和色」のことをあらためて説明しますと、当社のサングラスカラー・
シリーズの中で、日本の伝統色をモチーフにした色のシリーズ
を「和色」と名付けています。
現在、水浅葱、鉄納戸、苔色、一斤染、二藍、蜜柑色、紫苑色、蘇芳色
の8色があります。

今年、ガラス工房の皆様を中心にアンケートを実施させて頂きましたが、
その際にも、「和色」シリーズは好評価を頂き、さらにもっと色の数を
増やして欲しいといううれしいご要望も頂戴しました。
現在の「和色」のラインでは、茶系と青緑系と鼠色系がありませんので、
その系統の色を何色か作ってみるつもりです。
まだ準備段階ですが、たとえば「利休茶」(オリーブがかった茶、)や、
「錆青磁」(くすんだ青磁の色)などを考えています。

それから、「フリット、ロッドでも『和色』を作って欲しい」との
ご要望も頂きました。こちらも、現在検討中です。
ただ、以前にこのメールマガジンでもお話しましたが、同じ色でも
キャスト用の薄い色と、フリット、ロッド用の濃い色では発色の仕方が
変わってくるケースが多いのです。
いちいち例を挙げることは避けますが、キャスト用の色と同じものを
フリット用で開発する場合でも、キャスト用の着色材を何倍かに増やす
ことにこだわるよりも、むしろ新たな色を作るつもりで、まったく一から
着色材を考えて行った方が結果的に早いというケースがほとんどです。

それから、「フリット、ロッドのギョク(不透明色)のシリーズの
色数ももっと増やして欲しい」とのリクエストも頂戴しています。
こちらも、鋭意進めていくつもりです。
ただギョクについては失透しやすいので、何度も熱を加えた場合、
ガラスが結晶状態になりやすく膨張係数が変化して、割れなどの
トラブルが生じるという頭の痛い問題があって、失透しにくい
ギョクの開発が課題となっているのが、現状です。

でも、このサングラス・カラーは、ガラス工芸での「絵具」としての
存在ですから、これからもどんどん色数を増やして行って、
我々にしか出来ない、日本発のガラス文化の一端になればいいと
思っています。

こういう暑い夏の昼下がりは、風通しのいい畳の部屋で
利休茶色の麻作務衣でも着て、寝転んでいたいです。


 
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