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−続・ガラス原料あれこれ(50)−
 
[ガラスを溶かすもの]

梅雨たけなわです。
今年は空梅雨かなと思ったら、やっぱりしっかり降ります。
豪雨の被害が心配です。

さて、今回のテーマは「ガラスを溶かすもの」です。
このメールマガジンでも何回か触れたように、ガラスは
一定の調合表に基づき作られたバッチ(調合品)を1400度
くらいの高熱の炉に入れて溶融することによって得られます。

そのバッチの調合表の中で、ガラスを溶け易く、つまり
より低い温度で溶融させる効果を持つのが、アルカリ金属です。
アルカリ金属の仲間には、主に次の3つがあります。
ソーダ灰(炭酸ナトリウム;NaCO3、ガラス中ではNa2O)、
炭酸カリウム(KCO3、ガラス中ではK2O)
炭酸リチウム(LiCO3、ガラス中ではLi2O)
この中で、一番ポピュラーなのがソーダ灰です。
珪砂、炭酸カルシウムと並んでガラスを製造するのに、
とても重要な原料です。
ガラス産業以外でも使用され、国内生産、輸入品合わせて、
年間100万トンぐらい消費される基幹原料です。

もう一つの炭酸カリウムは、同じくガラスの溶融性を
良くする効果がありますが、その効果はソーダ灰には
及びません。しかし一方、ガラスの透明性や光沢、艶を
良くする効果を持っています。
Aスキ、FAスキにもこのカリ成分が多く含まれています。

それから最後に、炭酸リチウムも重要な原料です。
最近リチウム電池などハイテク素材原料として脚光を浴び、
価格もどんどん高くなってきました。
炭酸リチウムはソーダ灰、炭酸カリウムよりもさらに
ガラスの溶融性を良くする効果を持っています。
ただ、あまり入れすぎると失透や分相などのトラブルの
原因となります。せいぜい1%までの添加量に留めるべきですが、
ガラスの溶融温度は下がります。

当社も、Aスキ、FAスキにこの炭酸リチウムを積極的に
添加した調合(ALスキ)を現在開発中です。
コストは少し上がりますが、エネルギー・コストや炉の寿命、
溶融トラブルを考えれば、十分有利なものになると
思われます。
ALスキにご興味をお持ちの方は、当社までご連絡下さい。

今回はガラスを溶け易くするアルカリの話をしました。
お肌にいいアルカリイオン水とはまったく違う話ですね(汗;)。


 
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