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−続・ガラス原料あれこれ(1)−
 
[ガラスの着色の濃さ]

 今回、当社三徳工業ではガラス工芸向け材料として、「キャスティング・ビレット」という材料のシリーズの製造販売を開始致しました。
「キャスティング技法」とは、あらかじめ石膏などで製作したい形を型で作っておいて、その中にガラスを充填させて、ガラスの軟化点付近まで温度を上昇させることでガラスを軟化させた後、ゆっくり冷却して、ガラス作品を作る技法のことです。
当社のキャスティング・ビレットは、その「キャスティング技法」に適した比較的着色度の低いガラスをハンドリングしやすいように半球状(つまりたこ焼きを半分にしたようなもの)の形に成型したものです。

 さて、その「比較的着色度が低い」という話です。今回の「キャスティング・ビレット」の新色の中に「アジール」(カラーNO.48)という色があります。この色は着色原料として主に「酸化コバルト」をごく少量用いたものです。この「酸化コバルト」という着色原料については「あれこれ(2)」にも書かれています。
http://www.glass-kougeihiroba.jp/arekore/index02.html
 当社のもう一方の製品である「サングラス・フリット」でも、「コバルトブルー」(カラーNO.5)という色がありますが、この場合の酸化コバルトの添加量は、「アジール」の添加量の何と350倍も入っているのです。
 
サングラス・フリットは、ガラスの表面などを小さな量で着色させるので、着色原料も多く入っています。一方、キャスティング・ビレットはガラスの塊でその色を表現するので、フリットのように着色を濃くすると真っ黒になって、ちょっと見れば、黒色のガラスに見えてしまいます。このように、同じ着色原料を使う場合でも、その用途によって添加量を変える必要がある訳です。

 また着色原料の中でも、種類によって、添加量は大きく変わります。
上で紹介した酸化コバルトは、その着色力が非常に大きいことで知られています。
他の着色原料で同じような濃さにするのに必要な添加量は(色自体が違うので比較は難しいのですが)酸化コバルトを1とすると、たとえば酸化銅では約10〜20倍ぐらいの添加量を必要とします。二酸化マンガンでは、その倍の20〜40倍の添加量が必要となります。さらに酸化コバルト以外は、ベースのガラスの組成によって着色度が変わる場合があるのでやっかいです。
 
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