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−続・ガラス原料あれこれ(88)−
 
[銅赤について]
※(続・ガラス原料あれこれは当社のメールマガジンのバックナンバーです。)

今年の夏も暑くなりました。
日中は強い日差しが照り付け、日が沈んでも
気温が下がらない熱帯夜が続きました。
今年は節電や猛暑対策グッズを購入した方も
多いのではないかと思いますが、8月も
終わりを迎えようやく夕方になると
虫の音が聞こえるようになりました。

さて、今月のテーマは「銅赤について」です。
銅赤は今年4月からサングラスフリットシリーズに
新たに加わった色です。
「赤」というと、鮮やかで明るいセレン赤や
深いワインレッドの金赤がありますが、この銅赤は
独特の暗さを持った落ち着いた色合いが持ち味です。

銅赤に使用する着色剤は名前の通り銅を使用します。
銅は酸化雰囲気で溶融した場合きれいなスカイブルーの
ガラスになりますが、酸素の少ない還元雰囲気で溶融
した場合は暗い落ち着いた赤になります。
きちんと溶融雰囲気になっていないと色が褐色に
近づいたりスカイブルーになってしまったりします。
また、ガラスの溶融を助ける硝酸ソーダなどの
原料を添加することができないので泡切れが悪く
なるなど、発色を安定させてきれいなガラスを作るのが
非常に難しい色でもあります。

銅赤の特徴は熱の加え方でどんどん発色が変わっていく
ストライキングカラーであるということです。
他にも金を使った金赤や、セレンやカドミを使った
赤や黄色などもこれにあたります。
加熱すればするほど色は濃くなっていきますが
あまり加熱しすぎると色が暗くなりすぎたり不透明に
なってしまう可能性があるので注意が必要です。
また、使用の際に焼き戻しなどで熱を加えると
一度完全に無色透明になります。フリットで模様付けした
部分やロッドを被せた部分などが、透明のガラス部分と
ほぼ同じ色になるのでどこに色がついているのか
見分けがつきにくくなります。
心配な方は一度色の変わり具合をテストしてから作品に
使って頂くと安心だと思います。
透明になった部分は徐冷の時に再び赤く発色するので
ご安心下さいね。

当社の銅赤は加熱後も失透せず鮮やかに発色すると
ご好評頂いております。
まだまだ残暑も厳しいですが深みのあるシックな銅赤で
少し秋を先取りしてみてはいかがですか?


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