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−続・ガラス原料あれこれ(44)−
 
[板ガラスの作り方]

今日は仕事納めです。
今年の年末年始はカレンダーの関係で、会社によっては
9連休というところも多いようですね。
当社もそうなります(汗;)。

さて、年末といえば大掃除。大掃除で真っ先に浮かぶのは
窓ガラス拭きですね。
窓に使われる板ガラスはかつては、職人さんがガラスを大きな球や
筒状に吹いてそれをあとで開いて板状のガラスにしたそうです。
また、ロンデルといって棹の先に付けたガラスをお煎餅のように
平たく延ばして円盤状にしたガラスも窓ガラスに使用したようです。
このガラスは真ん中に可愛いおへそのような棹の跡(ポンテ跡)
が残るのですぐにわかります。

現在では板ガラスは大きな溶融炉で製造されます。
フロート法といって、溶けたガラスを溶融金属錫に浮かせて
連続的に板ガラスを成型します。
ガラスはとてもなめらかな溶融錫の上に浮かんでいくので
表面がなめらか、かつ平坦になるのです。
かつては板ガラスの表面をなめらかにするためには
研磨する必要があったのですが、フロート法ではその
必要がほとんどありません。
フロート法は1950年代にイギリスのピルキントン社によって
開発され、現在では世界中の板ガラスのほとんどがこの製法によって
作られています。(コルバーンとかフルコールという製法も
ありますが難しくなるので省略します)

液晶ディスプレイに使われる薄板ガラスの場合には、
このフロート法以外に、アメリカのコーニング社が開発した
フュージョン法(あふれたガラスを垂直に下に引き出す製法)
も使われています。ガラスに接触するものがないので
ガラスへのダメージが少ないのが利点です。
ただ、大きなガラス基板への対応はフロート法の方が
有利のようです。ここら辺は大手メーカーが
現在しのぎを削っている最先端の分野です。
ひとくちにガラスといっても、このような最先端の
分野から、感性が中心のガラス工芸の世界まで色んな
切り口がある訳です。
当社は、その色んな分野に携わっています。

昨年の最後のメールマガジンに、
「2006年はあらゆる資材が上がった『値上りの年』という風に、
後で記憶される年になると思います」
と書きましたが、残念ながら今年2007年もその状況が続きました。
今年もバッチやフリット、ビレットの値上げをお願いせざる状況
となり本当に心苦しい限りです。
来年度は少し落ち着くのを期待しますが、どうでしょうか。
また、今年は「和色」シリーズをデビューさせました。
また、フリットでも「和色」として「蘇芳色」を作りました。
今後も「和色」を中心に色数を増やしていくつもりですので、
どうかご期待下さい。
今年一年、ご愛読ありがとうございました。
来年度も「ガラス工芸広場」をよろしくお願い申し上げます。


 
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