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−続・ガラス原料あれこれ(34)−
 
[キルン・ワーク技法]

明日から3月、弥生です。
今年は本当に暖冬で、すぐにでも桜が咲きそうです。

さて、今回のテーマは「キルン・ワーク技法」です。
ガラス工芸のさまざまな分野の中で、ここ数年特に注目されて
いるのが、キルン・ワーク技法です。

キルン・ワーク技法とは、ガラス素材を常温で加工した後、
キルンすなわち加熱焼成炉で処理する技法です。
ちなみに、ガラス工芸でのもうひとつの大きな分野である
ホット・ワーク技法とは、主に吹きガラス技法のことです。
文字通りガラスが「熱い状態」で処理するのでホット・ワークと
いいます。

キルン・ワークの技法として、いくつかあります。
1. キャスティング(パート・ド・ヴェール)・・鋳込み
2. フュージング・・溶かす
3. スランピング・・曲げる
キャスティングは型を作ってその中にガラスを入れた後、
熱を加えて成型する技法です。
その中でも、特にパート・ド・ヴェールは「ガラスの練り粉」という意味で、
粉末ガラスを糊で練って型に入れる技法で、アール・ヌーボーの時代に
良く用いられました。
フュージングは、ガラス素材を並べておいて熱を加えて溶着させる
技法です。ペンダントなどのアクセサリーを作る時にも用います。
スランピングは、主にガラス板を熱で曲げる技法です。
それぞれの技法は、分類の仕方によって呼び方が微妙に変わりますし、
また、複合的な技法もあるので、定義がなかなか難しい面がありますが。

いずれにしても、キルン・ワーク技法はガラスを常温の状態で
で落ち着いて扱うことが出来るので、一般の方にも入門しやすく、
これからガラス工芸教室などを通じて、日本でもどんどん盛んに
なっていくと思います。

これらキルン・ワーク向けのガラスは、ガラス素材をそのまま
使うので、フリットなどに比べて薄い着色が求められますので、
当社もビレットシリーズとして、フリットとは別に展開しております。
現在19色(Aスキ・ビレットを含む)ありますが、これから
さらに充実させていく予定です。
このメールマガジンVol.29(2006/09/27発行)で
ご紹介しましたビレットの「和色」シリーズもようやく生産を
開始しました。
http://www.glass-kougeihiroba.jp/arekore/news-arekore/wa-iro.htm
我々日本人の、独特の感性を表現した色を作ってみたつもりです。
近々製品発売にこぎつけると思いますので、もう少しだけ
お待ち下さい。


 
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